「骨粗しょう症」と聞くと高齢者がなる病気だと思っていませんか?
実は食事で必要なエネルギー量や栄養がとれていなかったり、運動不足や睡眠不足だったりすると、骨の成長が阻害され、骨密度を増やすことができず、10代であっても骨折しやすくなることもあります。

正しく知って、今日から対策を行いましょう!

骨粗しょう症とは

  • 骨量は成長期に増加し、20歳頃に最大骨量に達します。その後比較的安定に推移した後、加齢に伴い減少します。
  • 加齢や生活習慣などさまざまな理由により骨の代謝バランスが崩れ、骨密度が低下して、骨がスカスカになり、もろくなった状態のことをいいます。痛みなどの自覚症状がほとんどないのに、ちょっとした刺激で骨折につながることもあります。
  • 骨粗しょう症とは男女ともにかかる可能性がありますが、特に女性に多くみられる病気です。
  • 骨粗しょう症により骨折を繰り返すと、骨が変形し、見た目にも影響を及ぼすおそれがあります。50代では10人に1人程度ですが、70代では3人に1人、80代になると2人に1人が骨粗しょう症だとされています。

女性と骨粗しょう症

骨粗しょう症は、女性ホルモンである「エストロゲン」が大きな影響を与えています。エストロゲンは骨の新陳代謝や健康を維持するための重要な役割を担っています。しかし、50歳前後の閉経を迎える時期になると、エストロゲンは急激に低下し、骨の新陳代謝のバランスが崩れて骨を溶かすスピードが速くなり、骨密度が低下して、骨がスカスカの状態になり骨粗しょう症が発症しやすくなります。

今日からできる骨粗しょう症予防!

食事編
カルシウムをとりましょう
体内のカルシウムの99%は骨と歯に含まれます。残りの1%は血液や体組織に含まれ、血を固める作用や、筋肉の収縮、神経の働きを適正に保つ等の働きをします。血液や体組織のカルシウムが足りなくると、骨を破壊して不足のカルシウムを補うことになります。

1日のカルシウム摂取推奨量(日本人の食事摂取基準【2020年】)
  • カルシウムを100mgとるおおよその量
    牛乳90ml(コップ半分)、ヨーグルト85g1個、チーズ16g1個、木綿豆腐110g(3分の1丁)、高野豆腐15g、干しひじき10g、納豆110g(2と4分の3パック)、いわしの丸干し20g、小松菜60g(5分の1束)、水菜50g(2束) 、チンゲンサイ100g(1株)など

    牛乳や乳製品はカルシウムの供給源として含有量だけでなく、吸収率においても優れた食品です。
バランスよく食事をとりましょう
骨の健康のためには、カルシウムの摂取だけでなく、カルシウムの吸収を促すビタミンDや、骨へのカルシウムの取り込みを助けるビタミンKなども併せて摂取することを意識しましょう。
  • ビタミンDを多く含む食材
    さけ、さんま、うなぎ、きくらげ、干ししいたけ、きのこ類など

  • ビタミンKを多く含む食材
    ブロッコリー、モロヘイヤ、小松菜、ほうれん草、納豆、わかめなど

気をつけたい食事
  • インスタント食品や加工食品などの塩分の摂りすぎ
    インスタント食品などは塩分やリンを多く含みます。塩分を摂りすぎると、せっかくとったカルシウムが体内へ吸収されず、尿と一緒に出てしまいます。また、リンはカルシウムの吸収を悪くするため、偏りすぎる食事はさけましょう。お料理にこしょうや山椒、唐辛子などの香辛料やゆず、すだちなど柑橘系の薬味を使用することで塩分を減らすことができます。
  • 食事中の飲み物はノンカフェインで
    コーヒー、緑茶、紅茶に含まれるカフェインはカルシウムの吸収を低下させると言われています。食事の時はノンカフェインの飲み物にして、コーヒーなどは食後少し時間がたってからにしましょう。
生活習慣編
適度な日光浴をしましょう

ビタミンDは食事からだけでなく、日光に当たることで活性化し、体内で生成されます。そのため、過度な紫外線対策は、ビタミンDの合成を妨げて骨を脆くしてしまうため、毎日の10から20分程度の日光浴を心がけましょう。
日焼けが気になる人は、手のひらを日光浴させるのもオススメです。

禁煙

喫煙は骨に悪影響を与え、骨密度を低下させます。そのほかにも様々な健康への影響があるため、禁煙しましょう。

運動編

いくつになっても、骨は運動によって強くすることができます。骨はその長軸に対して物理的な刺激が加わると、微量の電流が骨に伝わり強さが増すといわれています。
ジョギングやウォーキング、階段の上り下り、かかと落とし運動やジャンプといった運動も有効です。

年代別の「骨活」

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外部リンク