加茂盆地の西側、大野山の東斜面には、何カ所かに斜面の岩盤から石を切り出したところが残っています。大野の勝手・春日神社下の木津川には、2~4メートルほどの花崗岩の切石がたくさん点在しています。これらは、藤堂高虎によって切出され、徳川氏の大坂城復興に用いられた石材の一部です。大阪城へ運ばれなかった石材は、残念石と呼ばれ現在も多くが河原に点在しています。
その石を切出した大念寺の一画に少々グロテスクな容貌の地蔵石仏が安置されています。石材の豊富なところらしく、重量感のある等身大の地蔵石仏で、銘文はありませんが、室町時代の特徴を持っています。

 

所在地

木津川市加茂町大野