自分の飲酒習慣や飲酒量について知りましょう
普段の生活や、健康診断の結果で問題がないからと、過度な飲酒をしていませんか。生活習慣病などの健康被害は、少ない量のアルコールでも生じます。まずは、自分の飲酒習慣や飲酒量について知ることから初めてみましょう。
健康日本 21(第三次)での飲酒に関する目標
- 「生活習慣病(NCDs)のリスクを高める量( 1 日の純アルコール摂取量が 男性: 40 g以上、女性: 20 g以上)を飲酒している者の減少」
- 「20歳未満の飲酒をなくす」
純アルコール量 20 g程度の飲酒量
※アルコール度数は目安です。
セルフチェックをしてみましょう
まずは自分の飲酒量や飲み方を知ることが大切です。「適切な飲酒行動」、「純アルコール量 20 g」といわれてもピンとこない人がほとんどだと思います。また、体質は個人差が大きく、すべての人にあてはまる適切な飲酒行動や飲酒量を定めることは難しいため、自分の飲酒量や飲み方を知ることから始めてみましょう。
自分が1日に摂取している純アルコール量の計算方法
摂取量(mL)×アルコール度数(%)÷ 100 × 0.8 =純アルコール量(g)
例)ビール 500 mL の場合 : 500 × 5 ÷ 100 × 0.8 = 20(g)
酒類とアルコール度数
- ビール : 5 %
- 酎ハイ : 7 %
- ストロング系 : 9 %
- 日本酒 : 14 %
- ワイン : 14 %
- 焼酎 : 25 %
- ウイスキー : 42 %
酒類の一般的な量
- ビール・酎ハイ・ストロング系 : 中缶 350 mL、大缶 500 mL
- 日本酒 : 1 合 180 mL、一升瓶 180 mL
- ワイン : ワインボトル 1 本 750 mL、ワイングラス 1 杯 100~130 mL
- 焼酎 : シングル 30 mL、1 合 180 mL
- ウイスキー : ワンショット(シングル)30 mL、フルボトル(通常サイズ)700~750 mL
AUDIT
問題がある飲酒をしている人を把握するために、WHOが作成したスクリーニングテストです。
10 項目の質問に 0 ~ 4 点の 5 つの選択肢から回答していき、合計得点からアルコール関連問題の程度をおおよそ判断できます。
テスト結果と判定(最低 0 点、最高 40 点)
- 0 ~7 点 :問題飲酒ではないと思われる
- 8 ~ 14点 :問題飲酒ではあるが、アルコール依存症までは至ってない
- 15 ~ 40 点 :アルコール依存症が疑われる
健康に配慮した飲酒に関するガイドライン
厚生労働省は令和 6 年 2 月、「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(以下、ガイドライン)を作成・公表しました。
ガイドラインは禁酒のためのものではありません
飲酒はいけないものではなく、いきすぎると健康被害が生じることを認識することが大切です。
適切な飲酒行動とは
ガイドラインでは、適切に行動できるように、飲酒量や飲み方、飲酒するときの留意事項を具体的に示しています。
年齢の違いによる影響
-
高齢者は体内水分量が少なく、酔いやすい
-
酔った際は転倒・骨折、認知症、サルコペニア等の発症リスクにもなる
-
未成年者や20歳代の若者は、脳が発達段階であるため、健康問題(高血圧等)のリスクが高まる可能性がある
性別の違いによる影響
- 女性は男性よりも少ない量かつ短期間でアルコールによる影響が表れる(体内水分量、肝臓重量、ホルモン等の違いによる)
体質の違いによる影響
- アルコール分解酵素の活性が弱い人は、悪酔いや二日酔いになりやすいだけでなく、口腔内や咽頭、食道等のがん発症リスクが高くなる
日本の飲酒状況 〔健康日本 21(第 2 次)最終評価より〕
- 国全体としてのアルコール消費量は減少傾向
- 健康を害する可能性があるような飲み方をしている人は減っていない(女性では増加)
生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合の推移
- 男性:60 歳代は増加傾向であるものの、全体としては横ばい
- 女性:20 歳代・30 歳代は減少傾向であるものの、40 歳代以上は増加傾向
ご自身の飲酒行動・飲酒量を見直すと、自分に合った適量が見つかります。自分の適量を知って、お酒を飲む人も飲まない人もお酒や人との付き合いを楽しみましょう。