熱中症とは

熱中症は、高温多湿の環境下で、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温が上昇することにより発症する障害の総称です。

熱中症は、放っておくと死に至ることがありますが、予防法を知って実践することで、防ぐことができます。

また、応急処置を行うことで、重症化を回避できます。

節電を意識するあまり健康を害することのないよう、気温や湿度の高い日、日差しの強い日には、無理に我慢せず、適度に扇風機、エアコン等を使用して暑さを避けましょう。そして、こまめに水分・塩分を補給して、熱中症を防止していただくようお願いします。

 

熱中症の発生状況

消防庁によれば、全国で熱中症による令和5年度夏期5ヶ月(5~9月)の救急搬送人員は91,467人と令和4年度と比べ20,438人増加となっており、平成20年の調査開始以降2番目に多い被害報告とされています。また、医療機関での初診時に亡くなられた方は107人と報告されています。

年代別では高齢者が54.9%、成人が33.8%、少年が10.5%と熱中症発症による緊急搬送人員が報告されています。

今年度の熱中症による救急搬送件数(総務省消防庁)(外部リンク)

 

予防方法

日常生活での注意点

暑さを避けましょう
  • 室内の温度、湿度をこまめに確認するようにし、室内温度28度以上にならないように適切に管理しましょう。
  • 外出の際は、天気予報や暑さ指数(WBGT指数)を参考に暑い日や時間帯を避けましょう。日傘や帽子を着用し、涼しい場所や日陰をうまく利用しましょう。暑い日には無理をせず積極的に休憩をとりましょう。
  • 通気性のよい、吸湿性・速乾性のある服装で、体から出る熱と汗を早く逃がしましょう。黒色系の服装を避け、日射の侵入や輻射熱(ふくしゃねつ)の吸収を防ぎましょう。
  • 本格的に暑くなる前に(5月から6月)、「やや暑い環境」で「ややきつい運動」を行い、汗をかく習慣をつけることで、からだを暑さに慣らしておきましょう。
  • 梅雨明け前後などの、急に暑くなった日や湿度の高い日、日差しが強い日は熱中症発症リスクが高まります。久しぶりに暑い環境で運動等するときは、暑さが体に慣れず熱中症にかかりやすいので、無理をせず徐々に暑さに慣れるよう特に注意が必要です。
  • 外出時は、帽子や日傘を使用したり、日陰を選んで歩くなど、直射日光を避ける行動を意識しましょう。
  • 天気の良い日は昼下がりの外出はできるだけ控えましょう。
こまめに水分を補給しましょう
  • のどの渇き感じる際にはすでに軽度脱水状態であるため、喉の乾きを感じる前に、こまめに水分(水、麦茶など)を補給しましょう。
  • 大量に汗をかいた時は、経口補水液、スポーツ飲料などで水分に加えて塩分も補給しましょう。
    (長時間のスポーツや野外活動などを除き、意識的に塩分をとらなくても大丈夫です。
  • アルコールや多量のカフェインを含む飲料には利尿作用があるので、飲むときは一緒に水分も摂るようにしましょう。

体温調節機能が低下している、肥満の方、小児、高齢者、心肺機能や腎機能関係の慢性疾患(高血圧、心疾患、糖尿病など)や自律神経・循環機能に影響する薬物の服用がある方、脱水状態、体調不良の方は、熱中症にかかりやすいので、各人の体調に応じた対策が必要です。

特に高齢の方、小さなお子さんは次のことにも十分注意しましょう。

高齢の方の注意点

高齢の方は温度やのどの渇きに対する感覚が弱くなるために、暑さや体の水分不足を自覚しにくいこと、体内の水分量が減少すること、体温調節機能が低下することから、熱中症にかかる危険は高くなります。また、令和5年7月(消防庁調べ)の全国の熱中症発症場所別報告では、約半数が屋内での発生であり、室内にいる場合でも、熱中症になることがあるため、注意が必要です。

あらかじめ水分補給のタイミングを設定しておき、のどが渇かなくてもこまめに水分補給をしましょう。また、人は汗をかいて蒸発することで体温調節ができますが、湿度が高いと汗が蒸発しにくく熱中症になりやすいです。部屋の見やすい場所に温湿度計を置いて温度は28度、湿度は40~60%を目安にこまめにチェックしましょう。温度と湿度を適切に保つよう扇風機やクーラーを上手に使って温度調整することも大切です。

また、熱中症の予防や重要化の防止のためには、周囲の方々が協力して、独り暮らしの高齢の方の住まいの環境や体調を注意深く見守るなど、周りの方々も気にとめていただくことが重要です。

小さなお子さんの注意点

小さなお子さんは体温調節機能が十分発達していないため、熱中症にかかる危険は大人より高くなります。また、身長が低く、地面からの照り返しを受けるため、特に晴れた日の外出は、大人が暑いと感じる以上に暑い環境にいることになり、いっそうの注意が必要です。

お子さんには、日頃から適度な外遊びにより暑さに慣れさせ、こまめに水分補給するように促してください。また、暑い場所に行くときは、服装選びや十分な健康観察を行い、顔が赤く、ひどく汗をかいている場合には、涼しい場所で十分な休息を与えましょう。

なお、乳幼児を車の中に残したまま保護者が車を離れると、車内はすぐに高温になり大変危険です。クーラーをかけていてもエンジンが停止し切れることもあるため、絶対に車内に子どもだけを残さないようにしましょう。

 

暑さ指数を用いた熱中症予防

暑さ指数(WBGT)とは、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい1.湿度、2.日射・輻射など周辺の熱環境、3.気温の3つを取り入れた指標です。暑さ指数が28度(厳重警戒)を超えるあたりから熱中症患者が増え始め、その後急激に増加するとされています。

暑さ指数を用いた日常生活、運動などの指針が示されていますので、気象庁の気象予報等と併せて熱中症予防の参考にするとともに、ご自分の体調などに十分注意して適切な行動をお取りください。

熱中症予防情報サイト (環境省)(外部リンク)

 

熱中症に関する気象予報

暑さ指数とともに、気象庁の予報を確認して、熱中症予防の参考としてください。

熱中症警戒アラート(熱中症警戒情報)

熱中症警戒アラートとは、熱中症の危険性に対する気づきを促すことを目的としてます。このアラートが発表されている日は、気温が著しく高くなることにより熱中症による人の健康に係る被害が生じる恐れがあります。そのため、エアコン等を使用し涼しい環境にて過ごし、こまめな休憩や水分補給、塩分補給をしましょう。高齢者や乳幼児等は熱中症にかかりやすいので特に注意し、周囲の方も声がけをしましょう。

  • 発表基準

発表対象地域内の暑さ指数(WBGT)算出地点のいずれかで、日最高暑さ指数を33度以上と予測した場合に発表します。ただし、環境省が熱中症特別警戒アラートを発表した際には、これと重複する地域、対象日の熱中症警戒アラートは発表されません。

  • 発表時刻

前日の17時頃及び当日の5時頃に発表されます。

熱中症特別警戒アラート(熱中症特別警戒情報)

熱中症特別警戒アラート発表時は、広域的に過去に例のない危険な暑さとなり、人の健康に係る重大な被害が生じるおそれがあります。自分の身を守るだけでなく、危険な暑さから自分と自分の周りの人の命を守ってください。

全ての方が自ら涼しい環境で過ごすとともに、周囲の方が涼しい環境ですごせているか確認してください。

普段心掛けていただいている熱中症予防行動と同様の対応では不十分な可能性がありますので、今一度気を引き締めていただいた上、準備や対応が必要です。

京都府で発令された場合、市からの防災メールや市公式LINEでの情報発信を行います。

  • 発表基準

都道府県内において、全ての暑さ指数情報提供地点における翌日の日最高暑さ指数(WBGT)が35(予測値)に達する場合等に発表されます。

  • 発表時刻

前日の14時頃に発表されます。

高温に関する気象情報

向こう1週間で最高気温が35度以上となることが予想される場合に発表されます。

注※上記の気象情報は、京都府防災・防犯メール配信システムに登録して、メール配信を受けることができます。

防災・防犯情報メール配信システム(京都府)(外部リンク)

暑さ指数メール配信サービス(熱中症予防情報メール)(環境省)(外部リンク)

熱中症警戒アラート等のメール配信サービス(環境省)(外部リンク)

熱中症が疑われるときは

暑熱環境下で、めまいや立ちくらみ、手足のしびれ、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感は軽症~中等症とされています。適切な対応をとれば重症化を予防することが可能です。しかし、症状が進行した場合には、意識障害やけいれん、ふらつきを自覚、異常な高体温などがみられます。自分または身の回りの方に熱中症を疑う際は、

  • 涼しい場所に移動し、安静にする。
  • 衣服をゆるめ、からだを冷やす(特に首のまわり、脇の下、足の付け根など)。
  • 水分・塩分、経口補水液などを補給する。
  • 意識がない場合、自力で水分等補給できない場合、水分・塩分を補給しても症状がよくならない場合、重傷を疑う場合は、すぐに救急車を呼ぶなど医療機関に搬送してください。

 

関連サイト

気象情報

熱中症発生情報

熱中症予防について

京都府の関連施策

外国人のためのガイド

その他