涌出宮の居籠祭(いごもりまつり)

居籠祭はその年1年の稲作の豊作を予祝する農耕儀礼として、毎年2月中旬に涌出宮でおこなわれます。居籠祭は南山城地方最古の祭りとして知られ、この祭りを含む宮座行事が国の重要無形民俗文化財に指定されています。
「居籠る」とは外出を慎み、心身を清める意味で、かつて、村人たちは居籠祭神事の間は、家に居籠って一切音を立てなかったといわれています。この祭りは室町時代中期の農耕儀礼やお田植え行事をよく伝承しているものとして、民俗学的に多くの研究者の注目を集めています。祭りそのものの発生は農耕がはじまった時代にまでさかのぼると考えられ、起源については諸説ありますが、崇神(すじん)天皇の御代に、山城地方の豪族、武埴安彦(たけはにやすひこ)が朝廷に対して反乱を起こした時の戦死者の霊を鎮めるためにはじまったとも言われています。
(季節:冬)

 

ところ

涌出宮(木津川市山城町平尾里屋敷69-1)