木津川市橋梁長寿命化修繕計画

 本市では、平成26年3月に「橋梁長寿命化修繕計画」を策定し、市が管理する橋梁について点検及び修繕を計画的に進めています。

 なお、1巡目の点検が終了したことに伴い、令和2年2月に計画の見直しを行いました。

長寿命化修繕計画の背景と目的

 本市が管理する橋梁は,令和2年2月現在で349橋架設されています。

 このうち架設後50年を経過する橋梁は、全体の44パーセントを占めており、20年後には84パーセントに増加します。これらの高齢化を迎える橋梁群に対し、従来の対症療法型の維持管理を続けた場合、橋梁の修繕・架け替えに要する費用が増大となることが懸念されています。

 このような背景から、より計画的に橋梁の維持管理を行い、限られた財源の中で効率的に橋梁を維持するための取り組みが不可欠となります。コスト縮減のためには、従来の“損傷が大きくなり使用上の問題が生じた段階で対策を行う”対症療法型から、“損傷が大きくなる前に予防的な対策を行う”予防保全型へ転換を図り、橋梁の寿命を延ばす必要があります。

 そこで本市では、将来的な財政負担軽減及び道路交通の安全性の確保を図るために、橋梁長寿命化修繕計画を策定しています。

 

長寿命化修繕計画の効果

 市内の349橋について今後50年間の維持管理のための事業費を比較すると、従来の対症療法型では50億円が見込まれるのに対し、長寿命化修繕計画に基づく予防保全型では28億円となり、大幅なコスト縮減が図れます。

 また、損傷に起因する通行制限等が減少し、道路の安全性・信頼性が確保されます。

 

長寿命化修繕計画の方針

〇健全度の把握の基本的な方針

 定期点検や日常的な維持管理によって得られた結果に基づき、橋梁の損傷を早期に発見するとともに健全度を把握します。

 健全度の区分は以下のとおりです。

判定

区分

状態

健全

構造物の機能に支障が生じていない状態

予防保全段階

構造物の機能に支障が生じていないが、予防保全の観点から措置を講ずることが望ましい状態

早期措置段階

構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずるべき状態

緊急措置段階

構造物の機能に支障が生じている、または生じる可能性が著しく高く、緊急に措置を講ずるべき状態

   

〇予防的な対策
  従来の対症療法型から、計画的かつ予防的な修繕対策の実施へと転換を図り、橋梁の寿命を100年間とすることを目標とし、損傷を早期発見し、より少ない費用で適切な対策を実施します。
  
 
〇優先度

 長寿命化修繕計画の優先順位は、以下の重要性を考慮して決定します。

  • 定期点検の健全性の診断に基づき、健全性の低い(劣化している)橋梁を優先
  • 第三者被害防止の観点より、跨道橋、跨線橋を優先
  • 修繕の困難性を考慮し、橋長の長いものを優先

「健全度」⇒「跨道橋・跨線橋」⇒「橋長」

 

〇PDCAサイクルの実施
  計画に沿った維持管理を今後も継続的に行う中でPDCAサイクルを実施し、効率的・効果的な維持管理を行います.
  PDCAとは、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)の四つの段階を繰り返すことによって、計画を改善・効率化することをいいます.