こんにちは!観光担当のなーこです。
木津川市の秋を感じる行事といえば、いくつかあるお祭りのうち、木津御輿太鼓祭を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

今回は10月23日、3年ぶりに実施した木津御輿祭の様子をレポートします!

番外編5「木津御輿太鼓祭」

木津御輿太鼓祭は、木津川市の市指定文化財のひとつで、江戸時代から200年以上続くお祭りです。
かつては9基の御輿が2日間をかけて御霊神社・田中神社・岡田国神社に宮入り(御輿が拝殿廻りのため神社の境内に入ること)をしていました。
現在は、敬神組・拝神団・義友会・小寺・西町・社町の計6基の御輿が、10月20日以降で最初の土曜日・日曜日に各神社に参っています。
新型コロナウイルス感染症の影響により実施を中止していた木津御輿太鼓祭。今年は規模を縮小し、西町の御輿の運行と社町の御輿の展示が実施されました。

こちらは、西町の御輿。御輿倉の前から田中神社まで運行します。
南大路町の担ぎ手も、応援に来ています。

「あーよいやさ!(ドンドン)さっさ!(ドンドン)さのさ!(ドドンドンドンドン)」

持ち上げの掛け声にあわせて太鼓をたたき、御輿が持ち上がります。
移動時は、乗り子の子どもたちの「それよいやーまーかせ!」という掛け声に、御輿の担ぎ手が「それよいよいよい!」と応え、御輿を動かします。
「よいやまかせ」という言葉は、一説では「良い世の中になりますように」という意味があるといわれています。

田中神社へ到着しました。
これから境内に入り、拝殿廻りを行います。

拝殿廻りは、境内の本堂前を円を描くようにして御輿を担ぎます。基本は3周行い、1周ずつ掛け声が違います。

1周目は御輿移動時の掛け声です。乗り子「それよいやまーかせ!」担ぎ手「それよいよいよい!」
2周目は、「さーせ」を行います。「さーせ」は「差し上げる」との意味があり、御輿を全員で高く持ち上げます。掛け声は「さーせよまわせよ」。乗り子と担ぎ手で一緒に声を出し、繰り返します。
3周目は、御輿持ち上げ時の掛け声「あーよいやさ!さっさ!さのさ!」でまわります。

拝殿廻りは大迫力!乗り子の掛け声と大きな太鼓の音に応えるように、担ぎ手が御輿を大きく揺らします。その一体感は、とてもエネルギーを感じます。


無事3周が終わり、田中神社を後にする西町の御輿。観客からは大きな拍手があがりました。

拝殿廻りは、御輿によってやり方はそれぞれ。伝統を重んじ、きっちり3周する御輿や、中には体力が続く限り何周もする御輿も。
また、かつては、「前の御輿が担ぐまで自分たちの御輿を担いではいけない」「前の御輿が降ろすまで自分たちの御輿を降ろしてはいけない」という決まりのもと、自分たちの御輿を降ろさずに後ろの御輿と力くらべをしたり、担ぎ手の中でも特別力持ちの担ぎ手が御輿をわずか8人で担いだりと、それぞれの力自慢を試し、楽しみながら御輿を担いでいたんだそうです。

乗り子の子どもたちに感想を聞くと、「大きく御輿が揺れているときが楽しかった!」とお話してくれました。

次に、社町の御輿を紹介します。
社町は、町内で「龍組」「鳳凰組」「麒麟組」等のチームを作成したり、のぼりや提灯を持つ係を御輿の前に配置したりなど、独自の演出が光ります。
「華組」という女性のみで形成されたチームが拍子木を打ち、掛け声を先導します。

元々木津御輿には女人禁制の歴史がありましたが、社町では「華組」を形成したり、乗り子に女の子を起用するなど、木津御輿を継承していくための工夫として、新しい取組をされています。

この日は担ぎ手が少なかったにもかかわらず、御輿を担ぎあげる大サービスも!
社町の御輿は約1トン。皆さんとってもパワフルです!

かつては9基の御輿が並んで御霊神社・田中神社・岡田国神社を参拝していました。すべての御輿がそれぞれの神社で拝殿廻りをすると、もちろん時間がかかります。日が暮れて暗い中を、御輿につるされた提灯に火をいれて灯りをつけ、各町に戻るというのが木津御輿の夜の景色でした。

その様子を再現する意味も込めて、木津川市では、木津御輿運営委員会のご協力のもと、毎年10月に御輿のライトアップイベントを木津川市役所の駐車場で行っていました。(令和2年~令和4年は新型コロナウイル感染症の影響により中止)

イベントでは、市内の子どもたちは乗り子体験をすることができます。(事前申込必要)御輿を担ぐのは、現役の担ぎ手の皆さん。木津御輿の伝統を守り、継承し、将来の担ぎ手になってくれる人材を見つけたいという想いがあります。

また、木津御輿運営委員会では出前授業も行っています。木津小学校では、3年生の1組と2組の子どもたちが授業で学んだ木津御輿の歴史を踏まえ、自分たちでオリジナルの「木津小御輿」を作り、実際に担いで発表を行いました。
 

自分たちで作った御輿を力いっぱい担ぎ、大きな声で掛け声をあげながら体育館をまわります。拍子木と一緒にタンバリンやカスタネットを使ってお囃子を盛り上げたりと、木津小御輿祭ならではの工夫を感じました。

木津御輿の拝殿廻りと同じように、掛け声を変えながらまずは三周。二周目の「さーせ」では、一組は大きく御輿を担ぎ上げ、二組は御輿を大胆にしゃくります。そして、四周目には、自分たちで考えたオリジナルの「木津小御輿祭り」掛け声も披露。掛け声にあわせて腕を突き上げ、とても盛り上がりました。

1組と2組で、それぞれの演出と工夫があった木津小御輿の発表。
「1組の発表に一体感があり、練習したのが伝わった」「2組の御輿には提灯等の工夫があってよかった」とお互いのクラスの発表を称えました。

200年以上続く、木津御輿太鼓祭。これからの200年も、後世に残すべき文化です。
観光商工課では、木津御輿祭りの参加者募集も行っています。例年10月に広報誌に募集の掲載がありますので、通常運行が再開となった場合は、ご興味のある方はぜひご参加ください。

おまけ