こんにちは!観光担当のなーこです。今回訪問した常念寺は、木津川市加茂地域にあるお寺で、天台僧の真盛上人により念佛道場(門徒さんたちが集まって念仏を唱える場所)として室町時代に誕生しました。

今年の五月、常念寺の本堂にて制作中だった「極楽浄土聖衆来迎曼荼羅・蓮池」が完成。完成したものを見学させていただきました。

番外編3「極楽浄土聖衆来迎曼荼羅・蓮池」(常念寺)

本堂に入ると、完成したばかりの極楽浄土聖衆来迎曼荼羅・蓮池(ごくらくじょうどしょうじゅらいこうまんだら・はすいけ)が目の前に広がります。

足を踏み入れた瞬間世界が変わったような感覚になりました。

真ん中に阿弥陀様、両脇には菩薩様がいらっしゃいます。
筋斗雲(きんとうん)に乗り、少し膝を曲げている様子は、まさにお迎えに来られた「瞬間」を表しています。
むかって右の観音様の手の上には蓮華台があり、「ここにお乗りなさい」という表現です。
むかって左の勢至(せいし)様は合掌されています。これは私たちに合掌されていて、「みんな仏であり、一体である。」という意味が込められています。

阿弥陀様と両菩薩様の後ろには大勢の菩薩衆が楽器を演奏して楽しそうな姿で私達を迎えに来て下さっている様子が描かれており、極楽の華やかさがうかがえます。

「本堂の中を仏世界にしたい」というご住職の想いにより考案された本堂は、極楽浄土聖衆来迎曼荼羅・蓮池をはじめ天井の欄間(らんま)や華鬘(けまん)など、こだわりの演出が沢山。

聖衆来迎曼荼羅・蓮池の裏側には、「釋迦説法図(しゃかせっぽうず)」の板絵も掲げられています。

ご住職の演出は本堂だけではありません。なんと境内全体に施されており、常念寺すべてが仏法を表している構成になっています。

ご住職が沢山のお寺を訪れて得た知識をもとに建てられた本堂。境内は高低差を活かしたこだわりの仏教の世界。
今回ご紹介したものはごく一部で、境内にはさらに細かく意味が込められた箇所もあります。ぜひ、ご住職が演出する仏教の世界に訪れてみませんか?

常念寺

住所:京都府木津川市加茂町里小田22
電話:0774-76-2324
アクセス:JR「加茂駅」から徒歩約9分 または、コミュニティーバスで「南加茂台1丁目」下車、徒歩約6分
拝観について:拝観は要予約ですので直接、常念寺にお問い合わせください。拝観料はご志納です。

※上図は常念寺の所在をGoogleが提供する機能で表示したものです。