木津川市には、たくさんの神社・お寺があります。今回は旧加茂町にある岡田鴨神社で行われた「夏越祭」を見学してきた様子をレポートします。(番外編のため、インタビューはありません。)

番外編2「夏越祭」レポート(岡田鴨神社)

岡田鴨神社は、加茂町の恭仁大橋の近くにある神社で、京都市にある下鴨神社の元宮でもあります。

御祭神は、賀茂建角身命(カモタケツヌノミコト)をお祀りしています。賀茂建角身命は、八咫烏(ヤタガラス)が化身で、神武天皇を熊野から大和への難路を先導したと言われています。その故事より、八咫烏は勝利に導く神としてサッカー日本代表のユニホームのワッペンに使われています。

 
手水舎(八咫烏)

現社地は、元明天皇の岡田離宮跡に創建された天満宮の境内と伝えられています。
それにより、岡田鴨神社と天満宮のつながりは深く、本来、各神社で行われる「月次祭」は1日と15日ですが、天満宮のゆかりの日の祭事とあわせて、岡田鴨神社では1日と25日に行われています。また、天満宮の例祭は「天神祭り」として7月25日に全国で行われています。岡田鴨神社は、その天満宮の例祭に併せて7月25日に「夏越祭」を行っています。

「夏越祭」は、大祓の神事で、古来より夏越の大祓・年越の大祓の年二回行われています。半年間知らず知らずのうちについた罪や穢れを祓い、清浄なる心身に立ち返る神事です。特に疫病が広がりやすい夏場の夏越の大祓は重要なものとされています。


左:天満宮  右:岡田鴨神社

神事は、17時から始まり、日差しの照り付ける中、宮司さんが祝詞を奏上します。

その後、神事に参加された方たちと一般の方で茅の輪くぐりをします。

茅(ちがや)は、堅い地表を破り、夏場であっても青々と生育する様子から、疫気や邪気を払うと尊ばれました。
その茅を使った直径2mの茅の輪が、氏子総代より奉製し、奉納されます。
茅の輪をくぐることで、この半年の間についた穢れを祓い、残り半年間の無病息災を祈念します。

茅の輪にはくぐり方があります。

そして、茅の輪をくぐる際、古歌を詠います。

「水無月の 夏越のはらへ する人は 千歳のいのち 延ぶというなり」
6月の夏越の祓いをした人は、一生健康で過ごせますよという意味です。

他にも
「思ふ事 みなつきねとて麻の葉を きりにきりても 祓ひつるかな」
「蘇民将来」「蘇民将来」
と唱えます。

私たちもこの古歌を口ずさみながら、茅の輪くぐりをしました。
これで健康に過ごせる気がします。

新型コロナウイルスが流行る前は、境内に舞台が設置され、神賑行事としてカラオケをしたり、和太鼓の奉納がありました。昼には氏子神輿、露店等もあったそうです。
また以前のようにお祭りができるようになってほしいですね。

岡田鴨神社

木津川市加茂町北鴨村44
電話:0774-76-3131
JR「加茂駅」より徒歩約15分
または、コミュニティーバス山田線「北」下車すぐ

※上図は岡田鴨神社の所在をGoogleが提供する機能で表示したものです。